靱性モルタルとは
PCM早期ひび割れの例
コンクリート構造物の断面修復工や表面被覆工の補修材料として、ポリマーセメントモルタル(PCM)が広く使用されています。北陸地方のように厳しい環境条件下(塩害・凍害等)においては、ひび割れ等の早期劣化が見られる場合が少なくありません。
近年、 ひび割れ抑制の目的で、有機系の短繊維を多量に混入することで靱性や延性等の性質を付加し、ひび割れ抑制性能を大きく向上させた「靭性モルタル」が注目されています。
「靱性」とは材料の粘り強さや亀裂が発生しにくく広がりにくい性質 を表す言葉です。
靱性モルタルは、その言葉の持つ意味の通り、粘り強くひび割れ等に対する破壊抵抗力の高い材料です。
その高いひび割れ抑制効果は、モルタル中の繊維がひび割れをつなぎ止める(ひび割れ架橋効果)作用によるもので、土木学会コンクリートライブラリー127「複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(High
Performance Fiber Reinforced Cement Composites,以下HPFRCCと呼ぶ)設計・施工指針(案)」にその特性、規格、性能評価方法並びに活用方法等について詳しく記述されています。
HPFRCCの一種である靭性モルタルは、従来のポリマーセメントに比べひび割れ抵抗性等の耐久性が評価され、コンクリート構造物の断面修復工や表面被覆工の補修材料として幅広く活用されています。
曲げによるひび割れ抵抗性引っ張り力によるひび割れ抵抗性
靱性モルタルライニング工法は、高い耐久性や水密性が求められる土木構築物の表面などに、"靱性に優れたモルタル"を被覆(ライニング)する事で、長期間、構築物の耐久性・水密性を維持する工法です。
使用工事例
靱性モルタルNAの開発
・従来靱性モルタルにおける材料や施工上の課題を解決するため、研究により改良を重ね、靱性モルタルNAを開発しました。
以上の改良により、次のような効果が得られます。
・靱性モルタルNAは平成28年度に「Made in新潟 新技術普及制度」に
登録されました。
・登録No.:28D1001、技術名称:吹付け・コテ塗り併用型靱性モルタル